「大正野球娘。」第3話

実のところ、何で時代設定が大正なのか疑問だった。
素直に現代もののほうが、スポ根として話が進め易いだろうし、大正にしなければならない必然性が見えなかったから。
でも、今回の練習試合の話で、この作品の方向性が何となく見えてきた。
部員を9人集めて、一通り練習して形にはなったけど、初めての練習試合では、一回コールド負け。
男女の違い、素人と玄人の差など、いろいろ原因はあったろうけど、大きいのは女子野球部というのが、当時はそもそも非常識という点。
これが現代ものなら、女なのに剛速球を投げるピッチャーとか、元軟式の最優秀選手とか、元テニス部のエースで棒を振って球に当てる動作そのものは違和感がないとか、いくらでも設定できるんだろうけど(元ネタが分かる人はオールドオタw)。
でも大正時代のお嬢様では、そもそも運動経験が乏しいから、どんなに頑張ったって、男子に敵うわけがない。
その苦労の中に物語をつくるために、あえて大正時代ということなのだろう。
今回でそれがより明確になった感じ。
今後、彼女たちがどう成長していくのか、なかなか好感が持てた。

型月信者として如何に布教していくか

昨日、TYPE-MOONを知らない知人に、その素晴らしさを説こうと試みたのですが…。
とにかく難しいですな。あのテキストを読み終わったときの感動を、まったく知らない人に解説することは、想像を絶する難事。
次のシナリオを解くことによって、前のシナリオとリンクし、より一層の深みを増すという構造が、既存の物語しか知らない人間にとって、理解の範疇を超えるらしい。
どう説明しても、「一つのシナリオで完結しないのは欠陥」「複数の物語が一つの落とし所に収束するのが普通」「アニメ化できない(失敗している)のは矛盾だらけだからだ」と繰り返し、見る気もやる気もしないの一点張り。
そもそも、奈須きのこのテキストというのは、百聞は一見に如かず、解説してもらうより自分で読んで衝撃を受けろ、というタイプだから、百万言費やしても、その魅力を語るのはなかなか難しい。
面白いからやってみて、じゃあちょっとやってみようか、という人間なら話は早いけど、魅力を解説されて納得しないとやらないというタイプの人間だと、奈須きのこの作品は、信者の解説だけで難しくてやる必要のない作品と決め付けられてしまうらしい。
ある意味、単純で熱い物語なんですけどね。
どうやったらこういう人にもFate月姫をプレイさせられるのか…。