「閃光のナイトレイド」9話目

つくづく残念な作品だな、ナイトレイドは。
普通のスパイアクション物に徹していれば、決して高レベルではないけれど、著しく低いわけでもなかったのに、触れなくてもいい思想性に触れて、自爆した。
9話目も余計な一言を挟みやがった。
曰く「(第一次上海事変は)満州独立から列国の目を逸らすため、日本側の謀略によって起こされたことが定説となっている」。
東京裁判で、田中隆吉という陸軍軍人が、連合国側証人としてあることないことベラベラ喋って、東條ほか主要人物を絞首刑に導いたのだが、その「証言」の一つが、第一次上海事変は自分が計画した謀略だというもの。
ところが、この田中証言、裏付けるものが何も無い。
ただ田中が東京裁判で証言したという事実だけで、この証言自体を裏付ける資料は全く無い。
よって通常、上海事変を説明するとき、「こういう話もあった」程度のことであって、これを事変の根本だとすることはまず無い。
ところが、サヨク自虐史観の連中は、これをもって侵略戦争の証拠と言い立てている。
つまり、田中証言を定説だと言い切っているのは、サヨクだけであり、こういうサヨクの思想性にまみれた偽史を、臆面も無く取り上げるナイトレイドのスタッフは、何を考えているのか。
定説とは「解釈が定まっていて、議論の余地がない事象」を指していう言葉だ。
それを田中証言に対して使うとは、うっかりミスで済まされる話ではない。
すなわち、ナイトレイドスタッフが、強固なサヨク思想を持っており、確信的に定説だと言い切ったということ。
毎回クレジットされる注意書き「背景となった時代の歴史的事実またはその出来事に対する歴史認識に対し、新しい解釈を試みようとするものではありません」が虚しいな。
本当にこいつら、何一つ新しい解釈はしていない。
旧態依然としたサヨク自虐史観を踏襲しているだけ。
そのくせ何か新しいことをやったかのように思わせるこの注意書きは、矛盾も甚だしいな。
サヨク自虐史観プロパガンダをしたいだけなら、余所でやれ。
わざわざアニメでやるな、このクズどもが!

サルでもわかる第一次上海事変

リンク先参照、とかやっても読まない人が多いから簡単にまとめる。
上海に国民党の十九路軍(兵力約3万)が接近。軍司令官が「兵士に支払う給与を出せ」と恫喝。
上海市内に軍が侵入することを恐れた共同租界の市参事会は、対策を協議。
緊張が高まるなか、支那人が日本人僧侶を襲撃して殺害する事件が発生。
(ここが田中証言に当たる部分。ただし殺害された僧侶の所属する日蓮宗では謀略説を否定)
日本人居留民のデモや、支那人学生の暴動など連鎖反応が起こり、上海市内に戒厳令が布告。
日本を含む列国は、共同租界内を分担して警備することを決定。
この時の日本軍の兵力は、もともと居た海軍陸戦隊を含め2700。
この警備区域が十九路軍と接していたため、偶発的衝突を恐れていたのだが、結局、1月28日午後に最初の軍事衝突が発生。
日本は増派を決定。十九路軍に上海租界から距離を取るよう求めるも拒否され、戦闘は拡大。
戦闘は3月3日で終了。5月5日に停戦協定が結ばれる。
英米ほか列強は、終始日本に同情的だった。
それは支那の無法が明らかだったことと、上海の列国の権益が脅かされたことによる。
停戦協定の結果、外国人居住地域の北・西・南へ15マイルを非武装地帯とすることが決まった。

まともな感覚なら分かると思いますが

第一次上海事変という事件の詳細が上記の通りであるとき、「上海事変は、日本側の謀略によって起こされたことが定説となっている」とナレーションすることが、どれほど犯罪的か理解できるでしょう。
この史実のどこに日本の謀略があると?
よしんば田中証言が真実だったとしても、それは上海事変の大きな流れのごく一部に過ぎず、それが決定的だったとは言い切れない。
そして当然のことながら、あったかどうか分からない謀略とやらを、第一次上海事変の説明として「定説」化するのは、歴史の捏造。
サヨク的といわれるウィキですら、補足でとどめている。
ナイトレイドスタッフは、アニメ作品を利用して、サヨク自虐史観を宣伝しようと企図しているとしか思えない。
これは作品内容以前の問題。
アニメは娯楽であって、プロパガンダツールじゃない。
自らの手でアニメを汚すナイトレイドスタッフは、万死に値する。