やっぱり駄目だ

とある魔術の禁書目録」がAT-Xでリピート放送が始まったんで、もう一度チャレンジしてみたんですが…、やはり挫折。
前回も主人公の上条当麻の語りが、あまりにもウザくて耐えられなかったんですが、レールガンが面白かったんで、もう一度リトライ。
そして前回と同じく、4話目でギブアップ。
もうね、とにかく上条の言う理屈が稚拙すぎるんです。
たとえば、任務としてインデックスを捕らえようとする元仲間に、「何でこんな事するんだよ。お前の力はこんな事のために得たものなのかよ」みたいな説教を始めます。
「我々だってやりたくてやっているんじゃない、そうするしかないんだ」と答えると、「その程度で諦めるなんてただの逃げだ。自分に対する言い訳だ。そんなこと超えるくらいのものを与えてやりゃあいい!」と言い切るんですよ。
あのね、上条くん。世の中っていうのはね、「オレがやりたいようにやる!」で通るんなら、誰も何も苦労しないのよ。
何で皆んな、生きるのに苦労しているかというと、社会との関わり、人との関係といった色々なしがらみがあるから、そういったものを考慮しながら行動しなければならない。
つまり、自我の赴くままに行動はできないわけ。
それが社会的生き物である人間の限界であり、また面白いところでもある。
上条くんの言っていることは、アナーキーな世界でオレ様は自由に生きる!と言っているのと一緒であり、ガキがおもちゃ買ってくれないとここから動かないと泣き喚いているのと一緒。
自分の気持と社会との関わりのバランスを取りながら生きるのが、正しく賢い大人の姿であり、それができない上条くんはまさに厨二病
大人以前のモラトリアムなガキの主張なんざ、実行不可能の戯言でしかない。
これが上条くんの挫折で終わるならいいんだけど、この物語の始末が悪いところは、上条くんには「幻想殺し」という最強に近い能力が与えられており、彼の戯言を実現するだけの力があること。
この物語では、常にガキの主張が最強の力でもって勝つという構図があり、それがたまらなくイラつく。
普通、物語というのは、主人公の成長を見せるものだけど、「とある魔術の禁書目録」は、いわば主人公の「退行」を見せているに等しい。
だから私はこの作品が大嫌いであり、面白く無いと言うんだけど、これがラノベ界ナンバーワンの売上げというから、訳が分からない。
これも義務や責任から目を背け、権利ばかり主張するゆとり教育の影響なのかねぇ?