まあそう思うのも分からんでもないが

東浩紀「日本のネット民は匿名というツールを使いこなせるほど民度が高くない」
http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-5336.html
2ちゃんとか、やらおんとかのサイトで、個人攻撃をしこたま喰らった東氏が、そのように思うのは無理もない。
私自身も、あのような一部ネットの悪行三昧は是正されるべきと思う。
だが、あれは法的云々と言うより、道徳・倫理観の問題。
日本人がそれだけモラルの崩壊を起こしているという証左であって、ネット言論の本質とはイコールではない。
匿名での議論というのは、発せられる言葉のみが価値を持つ点において、きわめて優れていると思う。
テレビや新聞なら、◯◯大学教授だの××作家だの、肩書きが付随して言論そのものが歪んでしまう。
しかし、匿名のネットでは、そのような肩書きは意味をなさず、在野の素人に権威を論破することが可能になる。
だからこそ、真理の探求という議論の効能が発揮しやすいわけで、その点において、ネット議論に勝るものなしと思う。
ましてや、日本人は議論というものを知らず、面と向かってこれをすれば、すぐに人格攻撃だの、個人否定だのと喚きちらして、ちっとも議論ができない。
まともな人間が使えば、ネット言論というものは、正常に機能するもの。
今の日本では、その「まともな人間」が少ないから、勢い2ちゃんのような匿名性がマイナスに作用するものが幅を利かせることになる。
その被害を、ネットで実名をさらしている著名人が、真っ先に受けるというのも当然の流れ。
東氏にはほんと同情する。