話題の本、読了

『「おもしろい」アニメと「つまらない」アニメの見分け方』を、無事読了しました。
多少刺激的なタイトルではあるけれど、中身は至ってまとも。
そもそも「」書きしてあるのが味噌で、見分ける方法論として東京工科大学で生まれたエンタテイメント理論を使用。
感情論としてのおもしろい・つまらないではなく、おもしろさの理論的な解明なので、きわめて普遍的。
「13フェイズ構造」と「リマインダー」理論を駆使して、具体例を挙げながらの解説は、すこぶる分り易い。
たまたまその一例として、ヤマカンのフラクタルが取り上げられてはいるけど、決して感情論による叩きではなく、エンタテイメント理論から見てどこが破綻していたのかを解明。
(ヤマカンが吠えるほど量的に多いわけでなく、けっこう少なめで流しているので、そこが目当てで読むと肩透かしかも)
その他、コクリコ坂やゲド戦記などの有名ジブリ作品も、バッサリと解明。
理論としては凄くシンプルなので分り易く、なぜこれらの作品は失敗したのか、あるいは成功したのかがよく分かる。
普段何気なく見ておもしろい・つまらないと言っている作品も、どうしてそう感じたのかが理屈で解明できるのが非常に面白い。
なんでもそうだが、批判において中身も読まずに吠えるのは、最低最悪の行為。
表紙だけ見て読む必要なしと悪罵の限りを尽くすヤマカンの行為は、批判に値しないのは明らか。
沼田やすひろ氏の冷静な対応も、本書を読めば当然だと思う。
ヤマカン云々抜きにしても、これは実に良書だと思うので、ぜひ読んでもらいたい。