「PSYCHO-PASS」第22話

とうとう最終回。
槙島を追い詰める狡噛だが、そこに朱が割って入る。
あくまで槙島を殺させない朱だが、悪を憎んで正義を成そうとした人の小さな思いの積み重ねを「法」といい、だからこそこれを守るとする理屈は見事。
狡噛のやり方はどこまでも現実的。
対照的に朱は理想論。それが悪いとは思わないが、成し遂げるには固い信念が必要。
かつての朱にはそれが無かったので青臭いだけだったが、今ではそれが備わっているから説得力がある。
そして槙島は…彼が指摘するシビュラの矛盾は一々もっともだけど、何か引っかかるのはその犯罪という手法以外にも、彼の精神のあり方に問題があるからではないか。
狡噛が指摘したお前は爪弾きにされてただ寂しかっただけだというものは、存外的を射ていたのでは。
だから槙島は狡噛に殺される以外、自分の最後を思い浮かばなかった。
彼だけが自分と代替の無い関係性を持っていたから。
ともかく、狡噛と槙島の決着はついた。
朱は二人を止められなかったが、現時点での理想論の敗北を示唆しているな。
シビュラは今もあり続け、社会を規定する。
いつかは朱の言う理想が実現するかもしれないが、それはまだまだ時間がかかる。
きれいに話がまとまった。実に最後まで面白かったな。
いい余韻が残る作品だった。