「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」最終話を見たよ

期間限定配信の俺妹最終話まで見た。
原作の最終巻が出た時、その終わり方に賛否両論だったけど、実際に見て自分は良い終わりだったと思う。
基本アニメにしろゲームにしろ、二次元の妹LOVEな話は、全部キラキラした可愛い・微笑ましいものばかりで、現実社会における近親相姦の暗部は描かないものだ。
だからファンタジーとして我々は、セックス描写の有無と関係なしに近親相姦を楽しめるし、そこに憧れを抱くこともできる。
俺妹も当初はテンプレ的な妹LOVE話として、お兄ちゃん大好きツンデレ妹を中心に、次々と現れる恋敵、みたいな感じだった。
しかし典型的ハーレム王だった京介は、近親相姦というタブーに踏み込んだが故に、ハーレムメンバーを次々と振っていくという、今までの作品にはない斬新な行動を取った。
そして最後の幼なじみの麻奈美との対決は圧巻。
もっとも常識人であり、もっとも京介にふさわしいであろうポジションである麻奈美が突き付けたものは、冷徹な現実であり、二次元世界においては言ってはならない事。
物語そのものの否定であり、物語(妄想)を楽しむ我々にとって、きわめて興ざめな一言である。
だからこそ、最終話の彼女の行為に批判が多いのだろう。
しかしこの俺妹という作品が、他と一線を画すのは、まさにこの点に他ならない。
リアルを突き付けながら、リアルを超えて進んでいく。
それはある意味二次元の王道である。
京介と桐乃の今後は決して平坦な道ではない。
でも何かこの兄妹なら大丈夫と思わせるものがある。
このまま近親相姦を続けるにしろ、終わるにしろ、この二人なら大丈夫と思える。
それは物語を通して見せてきた二人のひたむきさや努力といった点が大きいからか。
同じく近親相姦を扱った傑作で「ヨスガノソラ」があるが、あちらはひたすら陰鬱だった。
兄妹で結ばれたものの、行き着く先は破滅しか想像できないものだった。
俺妹は近親相姦に真正面から取り組みつつ、ENDが暗くならない稀有な作品に仕上がった。
これは大変なことと思う。
間違いなく傑作であり、長く記憶に残る作品になったのではないか。
このような素晴らしい作品を作った原作者及びアニメスタッフ関係者すべてにお礼を言いたい。
ありがとう!