アヴィリオぉぉぉぉ!!!!

91Days」とうとう最終話。
ストレーガの目的は、ドン・ガラッシアを殺ってくれたアヴィリオを使える奴と見込んで、自分の部下にすること。
単純安直な理由だけど、復讐を果たし抜け殻となったアヴィリオにはもはやどうでもいいこと。
ネロに見つかって連れ出され、ロードムービー開始。
前にも二人で逃避行するシーンがあったけど、過去と現在では二人の状況が随分変わってしまった。
ネロの質問に奇しくもドン・ヴァネッティと同じセリフを…「全ては無駄ごと」。
復讐は何も産まないとは言い古された言葉ではあるが、親友さえ奪われたアヴィリオにとっては、本当に何の意味があったのかと。
その言葉に激昂するネロに、ならばあの時ちゃんと撃っていれば、こんな事にはならなかったと涙するアヴィリオ。
この物語中、ほとんど感情らしい感情を見せなかったアヴィリオの、唯一見せた人間らしい感情の発露は実に心が痛む。
そしてラストシーン。
意外とこの単純明快なシーンを解釈できない人間が多いようだが、アヴィリオはネロに殺され、ネロもまたストレーガの追手に殺されて…というEND以外の解釈のしようがないから。
アヴィリオの死体はわざと描かなかっただけで、並んだ足跡が途中で消えているのは、その先(未来)がないという暗示だし、ネロの足跡がやや続いて消えているのは、アヴィリオよりは長く生きるけどやがては…ということ。
そして打ち寄せる波が完全に足跡を消して…という描写でとどめ。
引き返す車中でのネロの笑顔は、覚悟を決めた一種の諦観から来る笑い。
自分の運命を悟っているからこそ、怯えるでもなく怒るでもなく笑っているのだ。
実に素晴らしい物語の幕引きだった。
アヴィリオよ、天国で兄弟と仲良くな(泣)